便利なGPTsを使うほど、自分の世界観が育たない理由

発信GPT、LP作成GPT、戦略を考えてくれるGPT。
質問に答えていくだけで、発信文ができたり、商品の見せ方が整理されたり、次に何をすればいいかまで出してくれる。
本当に便利だと思う。
私自身も、これまでGPTsのアプリを20個くらい作ってきた。
発信に使えるもの、商品設計に使えるもの、講座の構成を考えるもの、いろいろ作ってきた。
だからこそ、分かることがある。
GPTsは、中立な箱ではない。
それを作った人が、何を大事にしているのか。
どんな順番で考えるのか。
何を魅力だと判断するのか。
どこに着地させたいのか。
そういうものが、質問の流れや、答え方や、文章のトーンの中に入っている。
つまり、便利なGPTsほど、作った人の世界観がちゃんと入っている。
これは悪いことではない。
むしろ、だから便利になる。
でもここで、一つ見落としやすいことがある。
自分の言葉を入れているつもりでも、
その言葉は、誰かが作った世界観の上で整理されている。
私も以前、マーケティング系のGPTsを使って発信していたことがある。
たしかに優秀だった。
質問に答えると、ちゃんと文章になる。
構成も整っている。
言いたいことも、それっぽくまとまる。
でも、出てきた文章を見たときに、どこか違和感があった。
語尾が強すぎたり、
煽る言葉が入っていたり、
読んだ人を急がせるような表現になっていたり。
戦略を出してもらっても、
たしかにマーケティングとしては正しいのかもしれないけれど、
私のビジネスには合っていないと感じることがあった。
そのGPTが悪いわけではない。
ただ、そのGPTを作った人の勝ち筋と、私の勝ち筋が違った。
その人の世界観と、私の世界観が違った。
その人が「これが売れる」と思う言葉と、私が大事にしたい言葉が違った。
それだけのことだった。
でも、ここに大きな違いがある。
誰かのGPTsを使うと、今の答えは早く出る。
でも、自分の世界観が育っているとは限らない。
発信文は増える。
LPのたたき台もできる。
戦略っぽいものも出てくる。
だけど、その過程で出てきた自分の言葉や、違和感や、判断基準は、どこに残っているだろう。
多くの場合、それはチャットの中に流れていく。
あとで使おうと思ってコピーして保存しても、一つの文章として残るだけ。
「これは発信に使える言葉」
「これはLPに使える言葉」
「これは自分が大事にしている価値観」
「これは自分が使いたくない表現」
「これは商品設計のヒント」
「これは過去のお客様に響いた言葉」
そんなふうには、分かれて残っていない。
だから次にまた発信しようとすると、またゼロから考えることになる。
また誰かのGPTsに聞く。
また誰かの型に、自分の素材を入れる。
それを繰り返していると、出力は増えるのに、自分の資産は増えていかない。
ここで言う資産というのは、完成した文章のことだけではない。
1か月前に、ふと自己理解が起きた日の言葉。
忘れていたプロジェクトの中にあった小さなアイデア。
グルコンで話している中で出てきた、次のLPに使えそうな一言。
自分が「この表現は違う」と感じた理由。
何度も出てくる、自分の価値観や判断基準。
こういうものが、ちゃんと分類されて残っていること。
そして必要なときに、AIがそこから引き出せること。
これが、私が今作っている仕組みの大事なところだと思っている。
ただ保存するだけでは足りない。
保管庫に入れるだけでも、まだ足りない。
大事なのは、分類されていること。
そして、必要なときに引き出せること。
たとえば発信を書くときに、過去の自分の言葉の中から、今のテーマに近いものを出してくれる。
LPを作るときに、以前お客様に響いた言葉や、自分が大事にしている約束を持ってきてくれる。
戦略を考えるときに、一般的なマーケティングの型だけではなく、自分が選びたい方向、選びたくない方向まで踏まえてくれる。
そうなると、AIの答えが変わる。
誰かの世界観の上で整えられた答えではなく、
自分の過去の言葉、自分の経験、自分の違和感、自分の判断基準から出てくる答えになる。
それは、最初から完璧じゃなくていい。
むしろ、不完全なままでいいと思っている。
きれいにまとまった文章だけを残すより、
まだ言葉になりきっていない感覚や、迷いながら出てきた一言の方が、あとから大事な素材になることがある。
誰かの型を使い続けることが悪いわけではない。
便利なGPTsを使うことも、もちろん悪いことではない。
でも、それだけでは、自分の世界観は育ちにくい。
必要なのは、自分の言葉を少しずつ残していくこと。
自分の経験から出てきた答え方を残していくこと。
自分が何に違和感を持ったのかも、ちゃんと残していくこと。
それをAIが分類して、必要なときに引き出せるようにしていく。
その結果として、
自分だけの発信GPT、
自分だけのLP GPT、
自分だけの戦略GPTのようなものが、少しずつ育っていく。
必ずしも、GPTsアプリを何個も作る必要はない。
ひとつのAIの中に、自分の世界観の保管庫があればいい。
そこに、自分の言葉や経験や判断基準が積み上がっていけばいい。
便利なGPTsは、今すぐ答えを出してくれる。
でも、自分の世界観を育てるには、
自分の言葉を、自分の場所に積み上げていく必要がある。
私は今、その仕組みを作っている。
