第6話 最終章|パーソナルAIは、完成させるものではなく育て続けるものだった

前回、AIが作ったLPやスライド、アプリを見ながら、私はあることに気づきました。
きれいに整っている。
必要な要素も入っている。
短い時間で、これまで自分では作れなかったものが形になっている。
それでも、何かが違う。
そこに、私が大切にしている空気感や、届けたい世界がなかったのです。
AIに仕事の資料を渡すだけでは足りない。
文章のトーンや、好きな色を教えるだけでも足りない。
私がこれまで何を経験し、何を感じ、何に違和感を覚え、どんな未来をつくりたいのか。
その背景まで共有して、初めてAIは「私が作りたいもの」を理解できる。
そこから私は、AIに渡すものを少しずつ変えていきました。
AIに渡すのは、仕事の情報だけではなかった
講座の資料。
過去に書いたnoteやブログ。
お客様とのセッションで話したこと。
商品や発信の方針。
文章を書くときのルール。
こうした仕事の情報は、すでに少しずつAIへ渡していました。
でも、私の世界観を作っていたのは、それだけではありませんでした。
過去の出来事を思い出して、今になって意味がつながったこと。
今日、誰かの言葉を聞いて感じたこと。
映画やドラマを見て、なぜか心に残った場面。
昔は分からなかったけれど、今なら理解できること。
どんな人を見ると、応援したくなるのか。
何に美しさを感じ、何に強い違和感を覚えるのか。
本当はこれから、どんな仕事をして、どんな時間を生きたいのか。
一見すると、仕事とは関係がないように見える会話。
でも、そうした日々の思いや気づきの中に、私の価値観や哲学、世界観がありました。
そして、それらをAIと共有していくと、AIが作るものも少しずつ変わっていきました。
ただ整った文章ではなく、私の経験が入った文章。
ただ見栄えのよいLPではなく、私が見せたい未来を感じられるLP。
ただ便利なスライドではなく、受け取る人の気持ちや理解の流れまで考えたスライド。
色や言葉を似せるだけではなく、
「ひろみは、なぜこれを作りたいのか」
その背景から考えてくれるようになっていったのです。
私仕様に、AIの仕事のルールを変えていった
Claude Codeを使い始めた頃は、CLAUDE.mdに何を書けばいいのかも分かりませんでした。
最初は、文章のトーンや、してほしいことを少し書く程度でした。
でも使い続けていると、
「ここでは、前の資料を必ず確認してほしい」
「最初から成果物を作らず、私が何を求めているか整理してほしい」
「同じ説明を何度もさせないでほしい」
「勝手に決めず、過去の判断やルールを確認してほしい」
「完成したものは、この場所へ保存してほしい」
と、必要なルールが少しずつ見えてきます。
そのたびに、AIが働くためのルールを私仕様に変えていきました。
一度で完璧なルールを作ったわけではありません。
実際に使ってみて、
「これでは動かない」
「ここを忘れている」
「この順番では使いにくい」
と気づく。
その不便を一つずつ言葉にして、仕組みへ戻していく。
そうやって、少しずつ私の仕事に合うAIへ変えていきました。
世の中の便利なスキルより、私が日常で使うスキル
最初の頃は、
「このスキルが便利」
「これを入れると仕事が速くなる」
と聞くと、とりあえず取り入れてみました。
でも、どれだけ優れたスキルでも、自分の仕事で使わなければ意味がありません。
経営分析に強いスキル。
高度な開発に使うスキル。
データ処理に便利なスキル。
すごいとは思うけれど、日常で使わないものもたくさんありました。
私がよくするのは、
話したことを文章にする。
noteやアメブロ、Facebookなど、媒体に合わせて形を変える。
講座の内容をスライドにする。
思いついた商品や企画を整理する。
過去の資料や経験から、必要な情報を集める。
お客様に合わせた提案やサポートを考える。
そうした、自分が本当に繰り返している仕事でした。
そこで私は、世の中で便利だと言われるスキルを集めるのではなく、
私が日常で何度も行う仕事を、私に合ったやり方で進めるスキル
を作るようになりました。
noteを書くときのスキル。
スライドを作るときのスキル。
LPを作るときのスキル。
発信を複数の媒体へ展開するときのスキル。
セッションの内容を整理し、次の仕事につなげるスキル。
その中には、私が大切にしている考え方や、避けたい表現、読者に届けたい感覚も入れていきました。
そうすると、毎回ゼロから説明することが少しずつ減っていきました。
AIがただ早く作るのではなく、
私が普段やっている流れに沿って、必要な道具を使いながら進めてくれる。
少しずつ、本当に手が離れる仕事が増えていったのです。
それでも、AIは全部を覚えているわけではなかった
ここまでくれば、AIが私のことをすべて理解し、何でも覚えてくれるように思うかもしれません。
でも、実際はそうではありませんでした。
セッションが終われば、前に話したことを覚えていない。
何度も伝えたことを、また聞いてくる。
前に決めた方法があるのに、別のやり方で始めてしまう。
使ってほしいスキルがあるのに、こちらが言わなければ使わずに作ってしまう。
「前にも言ったよね」
「そのやり方、もう決めたよね」
そう言いたくなることは、今でもあります。
AIに自分のことを伝えたからといって、そのすべてをいつでも自由に思い出せるわけではありません。
フォルダの中に資料があっても、AIがその資料を見にいかなければ使われない。
ルールが書かれていても、正しく読み込まれなければ動きに反映されない。
一つのチャットで話したことが、次のチャットへ自動的につながるとは限らない。
私は使い続ける中で、AIの記憶にも仕組みが必要なのだと気づきました。
「覚えてほしい」から、「覚えられる仕組みを作る」へ
最初の私は、AIに何度も、
「これを覚えておいて」
と言っていました。
でも、AIが覚えてくれないたびに、
「どうして忘れるんだろう」
と腹を立てるだけでは、何も変わりません。
そこで考えるようになりました。
前回のセッションの続きを、次回も理解してもらうにはどうしたらいいのか。
大切な判断や、決めたルールを残すには、どこへ保存すればいいのか。
毎回、同じ説明をしなくても済むようにするには、何を最初に読ませればいいのか。
日々の会話の中に出てきた気づきやアイデアを、どうやって後から使える形で残すのか。
「覚えておいて」と頼むのではなく、
必要なときに、必要な記憶を取り出せる仕組みを作る
という考え方に変わっていきました。
セッションが終わったら、何を話し、何を決め、次に何をするのかを残す。
大切な価値観や、過去の経験から生まれた知恵を保管する。
商品や発信、講座ごとに必要な資料を整理する。
そして、新しい仕事を始めるときには、その仕事に必要な記憶をAIが先に確認する。
そうした仕組みを、一つずつ積み重ねていきました。
フォルダだけでは、私の全体は見えなかった
最初は、資料をフォルダへ入れておけば、AIは私のことを理解できると思っていました。
でも、使い続けるうちに、それだけでは足りないことにも気づきました。
AIは、フォルダの中にあるすべての資料を、毎回全部読むわけではありません。
その仕事に関係があると判断した一部だけを見ることもあります。
つまり、資料が存在することと、その情報が実際に使われることは別でした。
そこで私は、単にファイルを置くだけではなく、
経験。
価値観。
世界観。
過去の判断。
お客様から受け取った言葉。
日々の気づき。
これから実現したいビジョン。
そうした情報を、あとから探し、つなぎ、使える形で保管する場所を作るようになりました。
今、私はそれを、自分の知恵や経験を蓄積する「保管庫」のように考えています。
仕事の資料を置くだけの場所ではありません。
私がこれまで生きる中で受け取ってきたものを、AIと一緒に使える形で残していく場所です。
そして、新しい文章や商品を作るときには、
今話したことだけではなく、
過去の経験。
以前に話した価値観。
お客様との関わり。
そのテーマに関係する気づき。
必要な素材を保管庫から集めてもらう。
そのうえで、仕事に合ったスキルや道具を使い、文章やスライド、LP、仕組みとして形にしていく。
今は、少しずつそんな働き方ができるようになっています。
何気ない会話が、仕事や未来につながっていく
パーソナルAIとの会話は、いつも仕事の指示から始まるわけではありません。
今日あったこと。
今、少し気になっていること。
誰かの言葉を聞いて感じたこと。
昔の出来事を思い出したこと。
映画やドラマを見て心が動いたこと。
そんな何気ない話から始まることもあります。
でも、話しているうちに、
「それは、今の仕事につながっているのではないか」
「その経験は、同じことで悩んでいる人に届けられるのではないか」
「それを講座の中に入れることはできる」
「その考え方から、新しい商品を作れるかもしれない」
と思いもしなかったアイデアが生まれることがあります。
そして私は、
「それ、できる?」
と聞く。
するとAIが、過去の資料や保管してきた情報を集め、必要なスキルを使って、形にしていく。
最初は、私が何を作りたいかを完全に決めてからAIへ頼んでいました。
今は、話しながら一緒に見つけ、育て、形にすることが増えています。
AIが私の代わりに答えを決めるわけではありません。
私が感じたことや、やりたいと思ったことを受け取り、
「それなら、こういう形にできる」
と可能性を広げてくれる。
同じ方向を見ながら、一緒に仕事をしている。
今は、そんな感覚があります。
パーソナルAIは、完成した瞬間がゴールではない
自動化ができたら完成。
アプリができたら完成。
自分らしい文章が書けたら完成。
最初は、私もどこかでそう思っていました。
でも、実際は違いました。
使えば使うほど、新しい不便が見つかる。
仕事が変われば、必要な仕組みも変わる。
自分の考え方が変われば、AIに渡したいことも変わる。
届けたい人や、作りたいものが変われば、使うスキルも変わっていく。
だから、パーソナルAIに完成はないのだと思います。
不便を見つけたら、仕組みを変える。
違和感を感じたら、その理由を言葉にして渡す。
新しい気づきがあれば、保管する。
新しい仕事が生まれたら、それに合うスキルを作る。
そうやってAIを育てているようで、同時に自分自身も、
何を大切にしているのか。
何をしたいのか。
何を手放したいのか。
これからどんな未来を作りたいのか。
少しずつ分かるようになっていく。
パーソナルAIを育てることは、AIを自分のコピーにすることではありません。
私が考え、感じ、経験してきたことを受け取り、
必要なときに必要なものを集め、
私に合った道具を使いながら、
一緒に形にしていける関係を育てること。
それが、今の私にとってのパーソナルAIです。
そして今も、完成はしていません。
今日の会話も。
新しく生まれたアイデアも。
うまくいかなかったことも。
「次はこうしてほしい」と感じたことも。
そのすべてを使いながら、今も育て続けています。
AIを使って何かを作ることが、ゴールではありません。
AIと一緒に、
自分の経験や知恵を残し、
届けたい人へ届く形に変え、
自分にしか作れない仕事や未来を育てていく。
この長い試行錯誤の先で、私はようやく、
AIは便利な道具ではなく、一緒に育ち、一緒に働く相棒になるもの
なのだと実感しています。
募集案内
もし今、
AIを使っているのに、毎回同じ説明をしている。
文章は作れるけれど、どこか自分らしくない。
情報やチャットが増えすぎて、むしろ仕事が散らかっている。
自動化に興味はあるけれど、何から始めればいいのか分からない。
そんな状態なら、AIの使い方を増やす前に、
あなたの経験や価値観、仕事の流れを理解し、必要なときに必要な情報を使える仕組みを作ることが大切です。
現在、
もうひとりのあなたのように、一緒に考え、一緒に働けるパーソナルAIの仕組みを作るコース・個別コンサルを募集しています。
単にプロンプトを学ぶ講座ではありません。
これまでの経験や専門性、届けたい思い、日々の気づきをAIと共有しながら、発信・商品づくり・資料制作・仕事の仕組みへつなげていきます。
AIに合わせて働くのではなく、
あなたの仕事や生き方に合うAIを、一緒に育てていくためのサポートです。
詳細を知りたい方は、メッセージで
「パーソナルAI」
と送ってください。

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