AIの進化で、人間の仕事はどう変わる?|第1話|ChatGPTのプロジェクトは「チャットをまとめる場所」から「仕事が積み上がる場所」に変わった

AIの進化というと、文章が上手くなった、画像が作れるようになった、検索ができるようになった、資料まで作れるようになった。そんな「何ができるようになったか」の話が多いと思います。
でも最近のAIの進化を見ていて、私はそれとは少し違うところに面白さを感じています。
それは、AIが進化するほど、人間がやらなくていいことが増えているということです。
そのひとつが、ChatGPTのプロジェクト機能です。
前のプロジェクトは「資料置き場+チャットまとめ」だった
プロジェクト機能自体は、前からありました。私もずっと使っています。
何かひとつのテーマで仕事をするときにプロジェクトを作って、必要な資料やナレッジを入れる。そのテーマに関係するチャットも、そこにまとめておく。
たとえば「AI講座」というプロジェクトを作ったら、講座内容の資料や、お客様の情報、過去に作った文章などを入れて、講座設計のチャット、発信を考えるチャット、商品内容を考えるチャット、みたいにまとめていました。
なので、以前の私にとってプロジェクトは、その仕事に必要な資料を置いて、関連するチャットをひとつにまとめておく場所という感覚でした。
もちろん、それだけでも便利でした。チャットがあちこちに散らばらないし、その仕事に必要な資料も同じ場所に置いておけるからです。
でも、ひとつ不便なことがありました。
同じプロジェクトにいても、チャットはバラバラだった
同じプロジェクトの中に入っていても、チャットAで話したことと、チャットBで話したことは、基本的には別の会話でした。
たとえば、あるチャットで「この講座はこういう人に届けよう」と決める。次のチャットで「じゃあ商品内容を考えよう」となったときに、前のチャットで決めたことを、また説明する必要がありました。
「あっちのチャットでこう決めました」「ターゲットはこの人です」「前回ここまで話しました」と、人間がつないでいく。
あるいは、「あれ、どのチャットで話したっけ?」と探しに行く。前の会話を開いて、必要なところを確認して、また新しいチャットに戻る。場合によってはコピーして貼る。
つまり、プロジェクトにはまとめているけれど、会話と会話の間をつないでいたのは人間だったんです。
これって、地味なんですが結構面倒です。
AIを使って仕事を早くしたいのに、AIが仕事を続けられるようにするために、人間が過去の情報を探して、整理して、また渡す。そこにはまだ、人間の手間がかなり残っていました。
今は「プロジェクト全体」で仕事が続くようになってきた
ここが今、大きく変わってきています。
同じプロジェクトの中であれば、ひとつのチャットだけではなく、そのプロジェクト内でこれまで話してきた別のチャットも、必要に応じて参照しながら会話を続けられるようになっています。
つまり、チャットAでターゲットを決めた。チャットBで商品内容を考えた。チャットCで発信を考える。
それぞれは別チャットでも、プロジェクト全体としては、ひとつの仕事の流れとしてつながっていくようになってきたんです。
私はこれがかなり大きいと思っています。
以前のプロジェクトは、資料置き場+チャット整理箱という感覚でした。
今はそこから、資料と会話と、これまで決めてきたことが積み上がっていく仕事部屋みたいなものに変わってきた。
「前にも言ったよね」が少しずつ通じる
人間同士で長く一緒に仕事をしていると、毎回全部説明しません。
「あの件、前に決めた方向で」「前回の続きから」で話が進みます。なぜなら、一緒に仕事をしてきた時間があるからです。
AIも少しずつ、そこに近づいているように感じます。
もちろん、まだ完璧ではありません。過去の会話を必ず正確に拾ってくれるわけでもないし、以前の情報が古くなっていることもあります。
だから、必要なところは人間が確認したり、情報を更新したりする必要はあります。
それでも、毎回最初から説明する。過去のチャットを探す。前の内容をコピーして貼る。AIに前提を渡し直す。こういう手間が少しずつ減っていく。
これは、実際に長く使ってきた人ほど、ありがたさが分かる進化だと思います。
AIの進化で増えているのは、「できること」だけじゃない
今からChatGPTを使い始める人にとっては、「プロジェクトってそういうものなんだ」で終わるかもしれません。最初からこの機能があるからです。
でも以前を知っていると、「ああ、ここも人間がやらなくてよくなったんだ」と分かります。
私は最近、AIの進化を見るときに、「AIに何ができるようになったのか」だけではなく、「その進化で、人間は何をしなくてよくなったのか」を見るようになりました。
今回のプロジェクトの進化で減ったのは、人間が、会話と会話をつなぐ仕事。
必要な情報を探して、前提をまとめて、またAIに教え直す。その手間を、少しずつ手放せるようになってきています。
AIは、ひとつのチャットで質問して答えてもらうものから、同じ仕事を一緒に続けていくものへ変わり始めています。
そして、こういう変化は、一度使っただけでは分かりにくい。
使い続けてきたからこそ、「前はここを自分でやっていた」「これもやらなくてよくなった」と進化の恩恵が見えてきます。
AIの進化で大きいのは、できることが増えることだけではありません。
人間がやらなくていいことが、少しずつ増えていくこと。
私は、そこにこれからのAIの面白さがあると思っています。
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